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モンブランの
くまさんのおはなし

りんごにぶどう、梨に栗…
こんぺいとうの森では、
色とりどりのフルーツや木の実が
実りの季節を迎えました。

今日は木の実の丘までぶどう狩りにお出かけの日。
くまさんはお弁当にサンドイッチを詰めて、
さっそくおともだちのくまさんの元へ向かいました。

丘に着くと、ほかのくまさんたちも
思い思いに実りを収穫しています。
2人のくまさんも夢中でぶどうを摘み取り、
カゴはいっぱいに。

「これで秋まつり用のぶどうジャムがたくさん作れるね。」

2人はそう言ってシートを広げ、お弁当を食べ始めました。
お気に入りのたまごサンドと、ツナマヨおにぎりをほおばり、
お腹がいっぱいになると、
心地よい秋風に誘われて、うとうと…

*

気づけばそこは、遠くに白いクリームの山々が見える、
しっとりあまい香りの場所。
マロングラッセのような深みのある茶色い木々が並び、
その間をクリームの川が流れています。

またあのあまい夢の世界に来たことに気づいた2人。
しばらく歩くと、黄金色の栗がちょこんとのった、
まあるいモンブランのお家が見えてきました。

そこからゆったりと現れたのは、
ふわふわの毛並みに、
マロンクリームのような優しいフリルをまとった
「モンブランのくまさん」でした。

おうちの前に腰掛けたモンブランのくまさんは、
あたたかい栗の紅茶を淹れながら、
おだやかな声で語りかけます。

「秋祭りの準備、毎日よくがんばっているね。
だれも見ていない場所でも、毎日コツコツと手を動かしてきたこと。
不安になりながらも、あきらめずに積み重ねてきたこと。
みんなちゃんと知っているよ」

モンブランのくまさんがそっと手を重ねると、
2人の胸の奥から、ぽっと温かい金色の光が溢れ出しました。

「特別な魔法をかける必要はないんだよ。
君たちが今日まで積み重ねてきた時間が、
もう十分、金色の光になってここにあるんだから。
大丈夫、自信を持って秋まつりを楽しんできてね。」


*

ハッと目が覚めると、そこはいつもの木の実の丘。
でも、手の中には金色のハートと、
胸の奥にはさっき感じたあたたかいぬくもりが、
しっかりと残っていました。

「…なんだか、不思議と安心したね。」

「うん。今までがんばってきたこと、
全部抱えていけば大丈夫だね。」

2人は顔を見合わせて微笑むと、
ぶどうでいっぱいになったカゴを大切に抱えて、
秋まつりの準備が待つ森の工房へと歩き出しました。