〜春の気配〜
こんぺいとうの森で春の気配が動きはじめた頃、
くまさんは森の広場へおさんぽに出かけました。
まあるい切り株のベンチに腰かけて、
「本でも読もうかな…」と思ったところで、
ふわぁっと眠気がおとずれ、うとうと……。
気づけばそこは、さくら色にあふれた場所。
やさしい風が吹くたび、
ふわりと花吹雪がまいます。
〜桜色の夢の国〜
わたあめみたいにふわふわの木、
マシュマロみたいにやわらかな岩。
くまさんは、またあまいお菓子の世界に
迷いこんだようでした。
さくら色の道をのんびり歩いていると、
ぐぅ〜っとお腹が鳴ってしまいました。
そのとき、
桜の木のピンク色の根元に、
小さなまあるい扉があるのを見つけました。
「こっちへおいで!」
扉の向こうから、やさしい声が聞こえます。
〜桜パフェのくまさんのおうち〜
おそるおそる入ってみると、
そこには頭の上に
アイスクリームと桜をちょこんとのせた、
さくらパフェのくまさん が座っていました。
「一緒にお茶でもいかが?」
さくらパフェのくまさんのお家の中は、
ほんのり桜の香りがただよっていました。
ふたりは、
さくらのアイスクリームを分け合いながら、
ゆっくりとおはなしを楽しみました。
〜春の余韻を手に〜
「また会えるといいな!」
桜パフェのくまさんはそう言って、
小さな桜色のハートを手渡してくれました。
「ありがとう。 またね。」
くまさんがそう言った瞬間…
気づけば、くまさんは切り株のベンチの上。
あれ、お昼寝しちゃったのかな……?
でも、手のひらには
さっき受け取った、小さなピンク色のハートが
そっと残っていました。
