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わた雲色のおはなし

これは、
こんぺいとうの森に
夏のはじまりを知らせてくれた色の
小さなおはなしです。

✎𓂃

夏が近づいてきた森では、
空が高くなり、
日差しがキラキラと輝いていました。

地面には、色とりどりの花。
くまさんたちは、
お花を摘んだあと、
ピクニックを楽しみました。

お昼ご飯のサンドイッチを食べたあと、
ゆめの丘の原っぱに寝転び、
空をぼんやりと眺めています。



「ねえあの雲、ハートみたい。」
ひとりのくまさんが言うと、
別のくまさんも笑って言いました。
「あっちには、ソフトクリームもあるね。」

真っ白な鳥が
雲の間を静かに飛んでいます。



そんなふうに、
いろんな形の雲を見つけていたとき…
ちびくまさんが、花の隙間に
そっと瞬く光を見つけました。

そこには、ふたつの星のかけら。
やさしい水色と、
やわらかなオレンジ色でした。

くまさんたちは、
そのかけらをそっと手に乗せて、
森の小部屋に持ち帰ります。

水色は、
初夏の空のように澄んだ光。
オレンジ色は、
どこか懐かしくて、
心があたたかくなる色。

それは、
夏そのものではないけれど、
でも確かに、
夏の気配を含んだ色でした。

何日か過ぎたある日、
森の小部屋では、
クマモリとくまさんが、
星のかけらをすりつぶして、
新たな色を生み出そうとしていました。

やがて、くまさんたちは気づきます。

「あ、この色…
あの日の空みたい。」

高い空。
ふわりと浮かぶ雲。
白い鳥が通り過ぎていく景色。

それが、
こんぺいとうの森に生まれた
わた雲色でした。

くまさんたちはただ、
初夏の風に吹かれながら、
その色を感じていました。